<第零話>
<日本 宇宙貿易都市メイセイ>
はるか昔、ここにはたいした教師がいず、
また生徒のレベルもどんどん下がっていくことで有名であった某私立学校があった、
やがてその学校が潰れ、その土地をあそばせることももったいないと、
地元の住民達が相談しこの地に貿易都市を造ることにしたが、失敗ばかりであった。
しかし、ここはいま日本でも5本の指に入る宇宙貿易都市である。
そのため、ここには文化交流を目的とし他の国やコロニーからくる様々な戦艦があ
る。
その戦艦の1つにシルフという名の組織の戦艦があった。
<シルフ戦艦内デッキ>
そこに今まさに黒を主体としたPMに乗ろうとしている少年がいた。
年齢は14、5ぐらいでボサボサした黒髪と黒瞳を持ち、顔はアジア系の顔をしてい
る。
少年の名は速水慎也、このシルフの新人PMパイロットである。
「なんでいきなりこういうことなっているんだ」
今僕はシルフ戦艦内のデッキにいる、まあそのことに問題はない、
問題は何でPMのコクピットにいるかだ。
まあ、一応パイロットとしてここにきたけど、まだここに来て2、3時間しかたって
いない。
自己紹介を終えていまから自分の部屋の荷物をかたずけに行こうとしたところで、依
頼が来た。
依頼内容は輸送車の護衛で、それくらいなら戦艦で行くこともないという艦長の判断
で、
PM2機で行くことになった。
そして隊長と僕を含めた6人が集まり、誰が行くかを隊長がきめるんだな思った矢
先、
「「「「「ださへんかったら負けじゃんけんぽい」」」」」
・・・・・・おい、ちょと待て、何だその決め方は!!!!!
僕はとっさのことで反応できず負けてしまった。
「ちょと待ってください隊長!!!」
「男らしくないぞ勝負は1回限りだ!!!」
「いえ、そういうことを言っているんではなくて何でこんな決め方をするんですか」
「いちいち選ぶのも面倒だしこれなら文句も出ない、まあ負けたのだから仕事をしに
行け」
隊長あんた隊長の自覚あるんですか!?
あとで他のパイロットの方に聞くといつものことらしい。
僕は本当にここでやっていけるのだろうか??
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S.Kakapo
そして今僕らは護衛任務に就いている・・・と言うわけだ。
「まあ何とかなるんじゃないの?人生そんなモンよ。」
回想中だった僕の心の声を聴いたかのように言葉を掛けてくるのは僕と共に選ばれたパイロットである少女だ。
年のころは僕と同じか少し下くらいだろう。
艶やかな黒い髪に緑色の瞳という容姿からは人種の特定は出来ない。
皮膚の色を見ると東洋系の様だ。しかしきめが細かく、透き通った色をしている。
整った顔だが、少しいたずらっぽい、子供っぽい印象は拭えない。
「瑪瑙・・・。」
「何?」
聖河 瑪瑙(せいかわ めのう)。それが彼女の名前だった。
名前の由来は簡単だった。
「わたしの眼を見れば判るでしょ?」
その通りだ、と思った。
「お前・・・楽天的だな・・・。」
「ポジティブなのよ。うだうだ考えても仕方ないじゃない。むしろ早々実際の任務に着けたんだからラッキーなんじゃない?」
「まあ、そうとも言えるか。」
成る程、一理ある。
「簡単な任務だしな。僕もあまり大仰に構えるのは止めにする。」
「そうそう。そうやってプロの気概ってモンを身につけていくのよ。或いは手の抜き方かな?」
ニヤリとしか形容のし甲斐の無い笑みを瑪瑙は浮かべて見せた。
「おい。」
「冗談よ。・・・たぶんね。大体80%くらい。」
「おい・・・。本当にそれにマクスウェルドライブが乗ってるのか?」
「ああ。クライアントはそう言ってる。とりあえず信じるしかないだろ?」
「まあ、そうだが・・・。」
二人の新米パイロットの護衛する輸送車の進む道筋の先。
2台のPMがマントのようなものを被り、身を潜めていた。
それぞれのパイロットはインターカムで会話しているようだった。
声から判断するに、どちらも男で、30代前半、20代後半と言ったところか。
「曰く、カムフラージュのつもりらしいぜ。」
「成る程・・・。まさかそんな重要な物をあんなに薄い護衛で運ぶわけが無い・・・って訳か。つまらない小細工だな。」
20代後半の方がはき捨てるように言った。
「にしてはその小細工は有効だったようだな。ここに見事にその細工に嵌まっているヤツがいるんだからな。はっはっは。」
貼り付けたような笑いだった。
「うるさい。ま、いい。もう少し・・・といった所だな。」
「ああ。まさか気取られはしないと思うが・・・。カーボンマントもあることだしな。」
彼らのPMが纏っているのがそれだった。
炭素繊維で出来たマントを纏う事でレーダーに金属が反応する事を防ぐ。
準備は万端だった。
「手順を再確認だ。まず俺が先制で護衛の一機を倒す。そうしたら」
「こっちがもう一台を襲う、と。その隙にそっちが輸送車のオートパイロットシステムにこの目的地を入れたデータをぶち込むって訳だ。」
「完璧だな。」
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Kyou
「さて、と。あの2人は行ったようやな。では、総員配置に付け!」
速水と聖河が任務に出発すると、隊長が部下達に指令を出した。隊長の指令と共に基地内に緊張が走る。そんな中、隊員の一人が隊長にきいた。
「あの、隊長。おとりのこと、例の新人には話さなくて本当によかったんですか。」
「いいんだよ。敵を騙すには味方からっていうじゃねーか。それに、今更そんなことを言ったって遅いじゃねいか」
「しかしですねえ・・・・」
「まあ、瑪瑙は知ってんやから、なんとかなるやろ。それよりも今はてめえの仕事に集中せいや」
そう隊長は普段の口調で言って、笑いながら、仕事に戻っていった。
僕は初仕事ということで(ああは言ったものの)緊張しながらも、しっかりと目的地をめざしていた。その道中、瑪瑙は僕の気持ちなんか知らないでしゃべりっぱなしだった。
「・・・・・というわけで、気をつけてよね。」
「え。何に気をつけたらいいんだ?」
「は〜、あんたねえ。いい、もう一度言うわよ。この任務実は超危険な代物よ。特に私達はその中でも最も危険な仕事を割り当てられたの。なんてったって、おとりですもの。もうすぐ、襲撃があるだろうから、気をつけてよね」
は?おとり?襲撃?何だって〜!僕は瑪瑙にまくしたてた
「おい、なんだってそんなことを今になって・・」
「うっさいなあ。だから、さっきから言ってたじゃん。あんたが勝手に私の話を聞き流してただけでしょう。自分の不注意を私のせいにしないでくれる。と・に・か・く、伝えたからね。じゃあ、私は奇襲に注意しなくちゃいけないから、通信切るわよ」
「え、おい。ちょっと」
僕に反論の隙を与えず、瑪瑙は通信を切った。僕は文句をいうために瑪瑙に通信を繋げようと思ったが、そのようなことをしてる暇はないとわかっていたので通信機から、眼を離し、瑪瑙と同じように奇襲に備えて周囲に注意を払うことにした。
しかし、全ては遅かった。僕が周囲の状況に注意を払い始めようしたとき、僕のPMが異常を訴えた。
『敵弾反応!敵弾反応!回避できません』
しまった、そう思った時に僕の眼の前を閃光が覆い、衝撃が体を突きぬけた。しばらくすると、今度は体が叩きつけられる衝撃を受けた。目の前では何対ものPMが戦っているのが見えた。そして、ぼくの周りに血がどくどくと流れ出ていくのが見えた。これは出血多量で死ぬな・・・・そう思った時、意識が薄れはじ・・・・・・・。
3時間後、敵PMを撃退したシルフの面々は血の海の中に倒れている新人隊員を発見した。その時、心臓はすでに止まっていた。
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Birutu
そこまできて、あたしはペンを置いた。
「はあ……。またやっちゃったわ。なんで、あたしの書く小説って、いつも始まって10ページ以内で主人公が死んじゃうのかしら?」
もしかしてどこか病んでるのかしら、と思いながら、イスの上で軽く伸びをする。
肩がかなり凝ってるので、あたしが何時間も小説を書く作業に没頭していたことが分かる。
ほえ?
そのとき、窓に目をやったあたしは、すごい違和感を覚えたの。
曰く、『なんで外が明るいのだろう??』
そして、恐る恐る確認した時計が示してくる時刻は、
『AM8時13分』!
ほえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
「また、遅刻ぢゃん!」
あたしは、大慌てで身支度を始めた。
ここは、平和な学園都市メイセイ。
街全体が学園であり、学園自体が街である、そんな街。
そして、世界中から勇者を目指す学生が集まってくる、そんな学園。
あたしの名前は七瀬萌。
ここで勇者を目指す中学2年生。
「でも、今は勇者なんてどうでもいいの〜。」
そう、あたしの頭の中は先輩のことでいっぱいなの。
先輩のことを考えただけで、顔がにやけてくるのが分かるの。
昨夜も、先輩に告白する文体を考えている内に、なぜだかSF小説を書いていたの。
いざとなると勇気がでないのよねぇ。
「だめだめ、勇気を出さなきゃ。今日こそは、先輩に手造り弁当を手渡すんだから!」
そうつぶやくと、あたしは、もう誰もいない通学路を小走りに駆けて行った。
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Pokenin
教壇で出席をとる先生に気づかれようにそぉ〜っと後ろの扉から教室に入る。
普通気づかれそうなものだが、幸いというべきか、担任は目が悪く気づかないらしい。
首尾よく席につき、「七瀬」という担任の声に対し適当に返事を返す。
何とか間に合ったぁ〜
まあ正確に言うと、遅刻といえば遅刻なんだけど・・・
「おはよう。いつもいつも危ないわねぇ」
と出席に間に合って安堵しているあたしに声をかけてきたのは、同級生の葉月佳織。
あたしの一番の親友で、いつもはかおりんと呼んでいる。
しっかり者でいつもあたしを助けてくれるの。
「おはよー、かおりん。そんないつもじゃないよ〜」
すると、あたしを諭すようにかおりんは質問してきた。
「じゃあ、萌。今月に入って遅刻したのは何回?」
「1回」
かおりんは続けて聞いてくる。
「出席取ってる途中で入ってきたの何回目?」
「え〜とぉ、まだ3回目だよ」
「そう・・・じゃあ、今日は何月何日?」
「4月12日」
ひと置き置いて、改まって聞いてくる。
「そうね。さて萌、問題です。今月に入ってまともに学校に登校したのは何回でしょうか?」
「かおりん、ひどいよ〜。いくらあたしがバカだからってそれくらいわかるよ。う〜んと、1回かな?」
「つまり、8日の始業式の日だけというわけね・・・」
かおりんは何かを抑えているかのように受け答えをする。
「うん」
「ねえ、萌?わたしが何を言いたいかわかる?」
「・・・始業式の日に借りたお金を早く返してとか?」
なんとなく、かおりんが言わんとしてることと違うような気がする。
案の定、かおりんは頭を抱えるようなリアクションを返してきた。
「はあ・・・。それはそれとして、いい加減気をつけないと、呼び出されるよ」
「大丈夫大丈夫〜」
「その自信はどこから来るのやら・・・」
かおりんは完全にあきれ返っている。
これ以上何か言うと、かおりんに怒られるような気がする。話題を変えよう・・・
「ところで1時間目なんだっけ?」
「修復魔法理論よ」
あたしの席は、一番奥の窓側の席。
ここから見える風景がとても気に入っているのよね。
麗らかなそよ風が木々や草花の葉を演奏し
やわらかな日差しが春の舞台を演出して
あたしを心地いい劇場へと連れて行ってくれるの。
そんなことを考えているうちに、教室では授業が始まっているようだ。
担当の先生が教壇で割れた茶碗を修復する実演をしている。
勇者といえばはやっぱり魔法剣士よね。
と思って魔法を重点的に教えてくれるクラスを選択したんだけど
実際に受けてみると、最初に想像していたのと違ってて、とても地味・・・。
特にこの「修復魔法」の授業。
あらゆるものを元の姿に戻す魔法を習得する授業なんだけど、これって勇者に必要なの?
そんなんじゃなくて、なんかこう、どっか〜ん!って感じのがしたいな。
山本遊子、萌の憧れる先輩である。
萌が初めて遊子の実力を目の当たりにしたのは、三学期だった。
定期試験である筆記試験で主席を取っていて、生徒会長もしている。
そして何より、並外れた実技能力。
まさに文武両道である遊子は、校内では有名な人であった。
ある日、特別実習で遊子がなんとゴーレムと戦うという。
ゴーレムは石の人形ようなもので、堅い体でできていて、その身長は約10mにもなり、
力任せの攻撃をまともに受ければひとたまりもないだろう。
ゴーレムは学校の先生が数人がかりで一週間かけて作ったものだ。
普通ならば最低でも一個小隊を組んで戦うのだが、遊子は一人で倒すというのだ。
対峙する二人(?)の間に立った先生が右手を上げる。
そして、その手を振り下ろす。戦闘開始の合図だ。
その瞬間に、微動だにしなかったゴーレムが動き出す。
遊子は、剣を構えて戦闘態勢に入る。
体が巨大な割りに動作が速く、先制攻撃したのはゴーレムの方であった。
腕を思いっきり振り回して、遊子をなぎ払う。
しかし、遊子はひらりとかわすと同時に、
ゴーレムの腕の中で最も細い部分である手首関節部に剣で切りつける。
切り落とされた手は砂となって消えてしまった。
が、切られた手首から少しずつ修復されて最後には完全に手が復元してしまった。
実は、ゴーレムには核があり、
これによって周りの砂を寄せ集め、石のように硬い体を自形成している。
先生達が作ったのは、ゴーレムの本体ではなくこの核だったのだ。
その核を破壊しない限り、何度でも復元し倒すことができない。
そしてその核は、ゴーレムの胸の中央にある。
復活したゴーレムは再び攻撃を開始する。
遊子は、反撃することもなく回避することに専念してしまった。
ゴーレムが攻撃し、遊子が回避するという作業が
無限に続いてしまうのではないかと思えたそのとき、
遊子がゴーレムの下にもぐりこみ、下から真上へと切り上げる。
結果、ゴーレムの左腕を肩から切断することに成功した。
左腕が砂塵と化したゴーレムは、攻撃を停止し修復作業を開始し始める。
今度は左腕丸々一本を修復するので、簡単には復元できない。
すると遊子は剣舞を構えをし、目をつぶって何かを唱え始めた。
ゆっくりとそして徐々に加速させながら剣を振るう。
少しずつ剣に光が帯び始め、剣閃に残像が残り始める。
だんだんと残像が確固たる発光体として安定してくる。
これがいわゆる、発動体である。
発動体は、エネルギーの集積した発光する球体で、
発動者の意思によって自由に変化させることができる。
次に遊子は剣を真上に掲げると、
発動体が剣に切っ先に吸い寄せられるように集まり始めた。
だんだんと収束していき、ついには、遊子が掲げる剣の切先の前で収束した複数の発動体が
螺旋を描きながら敵ゴーレムを指向して突き進む。
同時に、弾かれた空気が反作用で逆流し遊子の周りを取り囲み始める。
そして、光の矢がゴーレムの中心を射止め核もろとも粉々に粉砕する。
すさまじい爆音とともに粉塵が巻き上がったのだが、
間近で対峙していた為、その爆風の中に含まれる小石一つ一つが
殺傷能力をもつ凶器となって猛烈な勢いで遊子を襲う。
ところが、今度は取り囲んだ空気の層が遊子を爆風から保護する。
まるで、そこに結界があるかのように
遊子の周りある一定の領域から内部には一切の砂煙が入らなかった。
遊子が剣舞を始めてから一瞬だった。
流れるように優雅で可憐である一方、それでいて辛辣で激しい攻撃魔法。
まさに芸術的であった。
教科書にあるような、発動までの複雑な段階を必要とする諸手続きを踏んでいるとは到底思えない。
あたかも、そこのあるものをただ取り出しただけのような感じだ。
しばらくして、爆発が収まり、視界が回復してくると
遊子は、何事もなかったかのように瓦礫の山から歩いて出てきた。
安否を気遣い心配そうにしている同級生に、無事を知らせるために手を振っていたりする。
その顔は、多少疲れの色を見せていたが、自信にあふれていた。
先輩の姿は、あたしが想像していた理想の勇者そのものだった。
そう、これを見たときからだったの、あたしの心の中に先輩がすむようになったのは。
栗色の髪を後ろで縛って白いローブを着ている先輩。
カフェテリアで友達と喋って笑顔を見せる先輩。
朝礼台で、生徒会長として発表する先輩。
このとき以来、先輩の全てがあたしの理想となった。
最初は先輩の目を見て話すこともできなかったの。
ある時、落し物を拾ってもらったときなんか、緊張してしまって、お礼も言うことができなかった。
もちろん、後でお礼を言ったよ?
でも偶然にも、グループ活動という異学年合同で行う授業で
先輩と一緒になって、それから気軽に話せるようになったの。
先輩は、いつも昼ごはんをカフェテリア、つまり食堂でとってるみたい。
そこで、あたしはいつもお世話になってるし、手作り弁当を先輩へ渡そうと思うんだけど
なかなか、緊張もするし、うまく機会が合わなくて今まで渡せなかった。
今日こそは渡そうと思うんだけど、なんて言って渡そうかな。
え?告白の手紙はどうするのかって?
あ〜、あれは別にいつでもいいの。
告白の手紙というのは、あたしの悩み事を先輩に聞いてもらうために手紙にして渡すのね。
そうすると先輩が、返事を書いて返してくれんだ。
とても親切で・・・
「萌!」
突然のこの声であたしは心の世界から現実の教室の世界へ引き戻された。
「な〜に?かおりん」
「な〜に?じゃないわよ!呼ばれてるよ?」
この時になって初めて、教室全体の視線がこちらの方へ集中していることに気づいた。
やばい・・・
「七瀬さん・・・」
低い声で教師が呼ぶ。
「は、はい!」
「はあ・・・」
びっくりして立ち上がったあたしの横で、かおりんはため息をついていた。
授業が終わり、かおりんとあたしは先輩と昼ごはんを食べるべく、先輩のいる教室の前に来た。
「山本先輩!昼ごはん一緒に食べましょ〜」
かおりんが元気よく先輩を呼ぶ。
「あら、も〜えにかおりん、いつもはカフェテリアで会うのに今日はどうしたの?」
いつも先輩はあたしのことを「も〜え」と呼ぶの。
「えと、先輩。あの、お、お弁当を作ってきたんですけど、そのいつも先輩食堂だから・・・」
緊張してしまって、あたしはしどろもどろとなってしまった。
「そうなの?」
「はい。それで、もしよければ、どうぞ・・・」
「本当!?ありがとう!萌〜」
急に先輩はあたしに抱きついてきた。あたしはどうすればよいか分からず、硬直してしまった。
あたしたち三人は、カフェテリアで食事を取り始めた。
すると、かおりんは先輩に言った。
「先輩、叱ってやって下さいよ〜、萌ったら授業中にボーっとしてるんですよ」
先輩に言わなくても・・・
「え〜、そうなの?も〜え、どうしたの?」
「・・・えっと、修復魔法の授業って退屈じゃないですか?」
率直な、考えを先輩に告げてみた。
「確かにね」意外に肯定の返事が返ってきた。
「でも、ちゃんと聞かないとだめだぞ。修復魔法とかは基本だからちゃんとしとかないと・・・」
あたしは、なんとなく納得いかない。
「う〜ん、もうちょっと、すごい魔法を使いたいな」
「そのうち授業でするようになるよ。それまで頑張って!
も〜えは素直だからちゃんとしていたらできるようになるから」
え?あたしは素直なの?
「はい、頑張ります」
こう答えるしかないよ・・・
「素直でよろしい」
そう言って先輩はあたしの頭をなでてきた。
こんな平和な学園生活が突如として失われてしまうとは、このとき誰も知る由もなかった。
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Birijian 弁当も食べ終わり、たわいもない話をしているとあっという間に時間が過ぎ・・・ 「あら、もうこんな時間じゃない。私はもう行くから。も〜え、ちゃんと授業聞くんだぞ」 「は〜い、わかってますよ〜」 「じゃ、また・・・」 と、先輩が教室に戻ろうとしたとき、かおりんが 「せ〜んぱ〜い、私にはなにもないんですか?」 と、ちょっと頬をふくらました感じで言った。 すると先輩はすまなさそうに言った。 「ごめんごめん、かおりんも寝たりしたら駄目だぞ」 「は〜い、わかりましたぁ」 「じゃ、ほんとに行くからね、二人ともばいばい」 「「先輩、さよなら〜」」 と、先輩を見送った後 「じゃ萌、私たちもそろそろ教室に戻ろうか」 「そうだね。」 と、私たちは教室に戻った。 そして、何か起こりそ〜だけど何も起きずに時は流れ、放課後になった。 「ふぅ、終わった終わった。もえ〜、帰ろう〜」 「うん、じゃ、先輩の教室に行って・・・・」 「萌!」 「ん?何?」 「今日は先輩私たちより1限授業少ないって言ってたでしょ。」 「あれ?そうだっけ?」 「また話聞いてないんだから。先輩に見とれてたんでしょ」 「へへぇ〜、申し訳ない」 「謝るだけで済んだら警察はいらないの!」 「じゃ、ど〜したらよろしいでしょうか、代官様」 「うむ、では帰りに鯛焼きでもおごって貰おうか越後屋」 「ははぁ〜」 と、まったくわけのわからないことを言いつつ帰ることになった。 そして、帰り道・・・・ またもや何か起こりそ〜で、何も起きずにそのまま家に着いた。 そして夜も更け・・・ 「う〜ん、今日はどんなのがいいかなぁ・・・・」 と小説のネタを考えながら、窓から何気なく空を見ていると、 「ん?なんだろあれ?」 萌は星が一つも見えない夜空の遠くの方に、灰色っぽい物体があることに気づいた。 そして、その物体は降下を始め、どんどんスピードが増してきた。 「えっ?あれ落ちてるんじゃないの!?」 と、思っているうちに、その物体がどんどん裏山に落ちていき、そして裏山の頂上に消えていった。 「なんだったんだろ、あれ・・・・。」 あと考えていたが、好奇心に駆られて。 「よし、見に行こうっと!!」 早速、萌は出かける準備をして、親にばれないようこっそり家を出て、その落ちた地点に行くことにした。_______________________________________________
Bori そして歩くこと約1時間、萌はようやく裏山に到着した。 そこには、円筒形の小型ロケットが墜落していた。 「な、なんなんだろ、これ・・・。」 あたしはおそるおそる近づいてみた。 すると、中からパンダ、いや、パンダのぬいぐるみのようなものが這い出てきた。 「こんにちは!・・・いや、こんばんはかな?キミが、萌たんだね。」 誰かの悪質ないたずらかしら・・・。と思いつつもあたしはその奇妙なぬいぐるみに話しかけてみることにした。 「そ、そうだけど、それがどうしたの?てゆうか、なんであなたがあたしの名前をしってるのよぉ?」 「それは、ボクがキミを意図的に呼び出したから・・・・。キミがここへ来るように、遠隔催眠魔法をかけたんだよ。」 「ひ、ひどい!一体なんでそんなことするんですかぁ!」 「実はね、萌たん。この星は、今、空前絶後の危機にさらされているんだ・・・。」 「ど・・・、どういうことですかぁ?」 「実は・・・、信じられないかもしれないけど、オルトメ・タパラっていう宇宙海賊がこの星を狙ってるんだ。」 「は?なんですか、それぇ。いくらあたしにでも、そんな子供だましは通用しませんよ〜!」 「本当なんだ!ボクの星も奴等にやられた。次の標的はこの星なんだ。 もう、ボクは二度とあんな思いはしたくない!だから、この星を護ることにしたんだ!」 「それは、どうもです〜・・・。じゃ、あたし眠いから帰りますね・・・。」 「話はちゃんと最後まできいてくれ・・・!無論、ボク一人じゃどうしようもできない。 そこで、ボクの星に代々伝わる変身魔法がかかれた魔術書を持ってきたんだ。 ボクのコンピュータが解析した結果、変身魔法の適合者は萌たん、まさしくキミだったんだ!」 「変身魔法!?そんなの使えるわけ無いじゃないですか!それに、変身魔法なんて使ってる人見たこともありません!」 その時、あたりの空間が歪みだし、そこからカウボーイを彷彿とさせるようなコスチュームを着た二人組が現れた。 現れたと同時に、こちらにゆっくりと歩み寄ってくる。 「ちょっと、パンダさん。なんかよくわからない人がこっちに向かってくるよ〜。」 「あれは、オルトメ・タパラの手先だ。萌たん、変身して迎撃するんだ!」 「そ・・・そんなこともいわれても、わからいよぉ・・・。一体どうすればいいの・・・・?」 「やり方は簡単。この魔術書を読み上げて!さぁ、はやく!」 「わ・・・わかった・・・。いくよ・・・・。」 あたしは力強く魔術書に書かれた呪文を読み上げた。 「もえもえ〜、ぷりてぃ〜、えぼりゅ〜しょん!」 すると、あたしの周りをピンク色のベールが包み込み、あたしの服装が、メイド服のようなものに段々と変わっていった。 そして、最後にベールがあたしの右手に収束し、ステッキに変化した。 「ぷりてぃ〜どり〜ま〜もえ、おちゃめに参上♪ いたずらするコはお仕置きしちゃうぞ☆」 あれ、あたし何言ってんだろう・・・。そんなことを思うや否や、例の二人組があたし目がけて銃のようなものを発砲してきた。 「きゃっ!」 あたしは紙一重でなんとか避けた。 「萌たん、手に持ってるステッキで応戦するんだ!さっきの魔術書に攻撃呪文は書いてある!」 「わ、わかった!とりあえずなんでもいいや!え〜と、ぷりてぃ〜どり〜みんぐれ〜ざぁ!」 すると、ステッキからピンク色のレーザーが飛び出し、二人組を貫いいた。 二人組はレーザーに貫かれた途端、砂のようになり崩れ落ちていった。 「や・・・やったのぉ・・・・?」 あたしは安堵すると同時に、腰が抜け、地面に座り込んだ。そして、力が抜けたせいか、変身も解けた。 「やるじゃないか、萌たん!でも、今のやつらは人為的に作られた魔法兵士に過ぎない。 オルトメ・タパラ本部の連中に比べると塵芥にも及ばないぞ!」 「まぁ、パンダさんの言ってることが本当だってことはわかりました〜・・・。 でも、あたし、そんな連中と戦っていくなんて無理だよぉ・・・。」 「大丈夫、萌たんになら出来るさ!変身だってすんなりできたじゃないか! あと、いい忘れてたけど、ボクの名前はウグィス。よろしくね!」 「は・・・はぁ・・・。よろしくです・・・。」 「で、早速だけど萌たん。キミにはしなければならないことがあるんだ。」 「ご・・・強引だよ・・・。」 「ま、いいじゃないか。実はやつらが本格的に侵攻してくるまでには、まだちょっと時間がかかるハズなんだ。 実は今、ボクはキミにあげた魔術書の他にあと3つ魔術書を持ってる。 そして、このうち2つの魔術書の適合者がこの星にいるみたいなんだ。」 「へ、へぇ・・・。そうなんだ。」 「キミがしなければならないのは、その2人を探し出し、仲間にすることなんだ。」 「あれ?でもさっきコンピュータで探せるようなことをいってなかったぁ?」 「そ、それがさっき墜落したときにどうも壊れてしまったみたいなんだ・・・。」 「そ、そんなぁ〜。」 こうして、あたしの受難の日々が始まろうとしているのでした。
<用語説明>
PM・・・この話の戦闘用兵器で大きさは4〜7ぐらいが主流で
動かし方にはレバー式と自分の動きにあわせて動くのが主流
主人公のPMは自分の動きにあわせて動く型で人型
人型だけでなく獣型もある
普通は法律で軍人しか使うことができないが例外もある
シルフ・・・主人公が入るなんでも屋に登録されている組織の1つ
なんでも屋・・・これは世間での言われ方でちゃんとした名前がある機関
ここに登録すれば民間人でもPMを使うことができる
主人公機・・・自分の動きにあわせて動く型で人型で機体の色は黒を主体としている
現在装備しているのはPM専用ライフルで大きさはPM用だが威力はひと
がつかう
ライフルと同じ、もう1つは右腕に付いている金属板
これは自分が想像した物になるが銃火器にはならないし
これを使うのにかなりの集中力が必要であり普通の人間には扱えない
機体の名前はレックザイスター
<萌の用語説明>
変身魔法・・・過去に変身魔法を悪用した大規模な戦争が起こったとか起こらなかったとかで、禁止魔法の1つになり、
使うことが出来ないように、今の人種は遺伝子を組み換えられていると聞いたことがある(萌談より)